熱が出てても出勤しろ!
労働時間が長いのは自分への投資だ!
美容師を始めた当初は当たり前だと思っていたこの業界。
いざ周りの他業種を見渡してみると自分がなかなか過酷な条件で働いている事に気づく。
もはや暗黙の了解と言っても過言ではないブラック企業体質の美容室。
実際の所は本当にブラック企業なのか!?
と言う疑問を晴らして行きたいと思います。
サブロク協定
まずこちらはかなり重要なので先に説明をさせて頂きます。
残業を会社側と労働者で話し合いをして労使協定を結んでいれば残業は可能性なのです。
ですが、そんな契約をしている美容師はほとんどいないと思います。
入社前に口約束で決めたと言うのは一切通用せず、しっかり話し合った内容を書面にして労働基準監督署に提出をしなければいけません。
この協定は労働基準法第36条に基づいているのでサブロク協定と呼ばれています。
こちらを結んだと言って無限に残業させる事が許される事はありません。
残業上限時間
・1週間→15時間まで
・2週間→27時間まで
・1ヶ月→45時間まで
・1年間→360時間まで
になります。
つまり、1日3時間までなら残業OKという事になります。
もちろんその3時間に関しては残業代が出ないと違法になります。
“残業代は払われていますか?”
労働時間
先程のサブロク協定を基に美容室の実態を見ていきましょう。
法定では1日8時間労働の週40時間迄、超過分は残業代として支払い。
残業は月に45時間まで!
とありますが、美容室はどうでしょうか?
営業時間が10:00〜20:00の場合で計算してみます。
休憩時間はナシで計算しておきます。
出勤時間は遅くて9:30
退勤時間はレッスンなど何もせずに帰って20:30としましょう。
1日11時間労働の週66時間なのでこの時点で既に22時間超過しています。
サブロク協定7時間オーバー
実際は朝8:30に出て来てレッスンをして、終わってからもレッスンなので21:30に退勤されてる方で計算すると、
1日13時間労働の週78時間なので38時間超過です。
サブロク協定完全アウト
1週間で約2週間分働いていますよね。
法定では月に160時間労働ですが、上記の13時間労働で25日出勤で計算しますと325時間労働とありえない時間になります。
基本的に1日11時間以上の労働時間が毎日ある場合は一般社会でもブラック企業として扱われてしまいます。
いまお勤めの美容室はどうですか?
最近ではしっかり改善しているサロンも増えてきていますので今の労働環境に不満のある方は検討するべきです。
オーナーの贅沢、もしくは自転車操業の経営の歯車になって働いているのですよ。
このような労働環境のサロンはブラックですので要注意して下さい。
保険関係
まず確認して頂きたいのがサロンが個人でされているのか、株式会社でされているのか確かめて下さい。
それぞれの形態のブラックのラインを書いていきます。
個人サロン
雇用労災保険に入っていないのはブラック以上の問題外です。
今すぐ加入して下さいとオーナーさんに言いましょう。
2年分は遡って支払いできますので退職を考えている方は失業保険が貰えませんので入っておくに越した事はありません。
次に従業員5名以上のサロンは社会保険加入義務があります。
入ってない場合はブラックです。
オーナーさんは口を揃えて”加入すると経営が厳しい〜”などと言ってきますが、そんな場合は即辞めましょう。
補足ですが、5名以下でも従業員の1/2以上の同意があれば加入できますので参考にして下さいね。
株式会社
こちらは社会保険加入義務がありますので入ってない場合はブラックです。
株式会社で加入していないサロンは確信犯ですので諦めてホワイトなサロンに移って下さい。
稀にですが雇用労災も入ってない場合がありますが、即辞めor労働基準監督署に駆け込みましょう。
下手したら書類上であなたは国から無職扱いになっているかもしれませんよ?
特に社会保険は従業員の給料の14%が会社負担になりますので、利益を求められるオーナーさんほど加入しない傾向が多いですね。
訳のわからん自己啓発セミナー
貴重な休みにオーナーさんオススメの講習会たるものに行かされる事はありませんか?
まだオーナーさんが費用を負担して頂けるのなら目をつむりますが、給料天引きの場合は確実にブラック
講師に対してオーナーさんの胡麻すりに協力しているようなモンです。
✳︎オーナーさんが講師に対しての崇拝している場合に限ります。
断る勇気があるなら潔く断りましょう。
あなたが一生懸命稼いだ給料を求めもしない訳のわからない事にお金と貴重な休みを奪われているのです。
スタッフの為を思って連れて行ってるのかもしれませんが、最低限費用くらいは負担して欲しいですね。
昇格できない
この時代に起こりうる事ですが、90年代にカリスマ美容師ブームが来たことで一気に美容師人口が増えました。
その時代の方々が今はオーナーやスタイリストとしてバリバリ活躍されているのでその方に対して今の時代、美容師の人口比率が圧倒的に低く、どこのサロンもアシスタント不足に陥っているのです。
仮にアシスタントで入社してカットレッスンが終わっても、先輩がつっかえていてスタイリストデビューできない現象が多々あるのが現状です。
1人の美容師として人生を歩んでいく中でこういった、無駄な妨げは本当に可哀想でありません。
今まさにその状況の方の行き先が業務委託サロンになるのです。
頑張って来たサロンで行き場を失い、駆け込み寺のような形で業務委託サロンで働く。
しっかりビジョンを組んで働いてる方・目先のお金に眩んでしまっている方・入客チャンスが増えて安心している方
様々な人が働く中で目先のお金に目が眩んでしまっている方は危険ですよね。
そういった方の行く末は業界に詳しい方なら想像できますよね。
この何とも言い難い負のスパイラルが今後も続いていくのです。
まだ見ぬ将来に関わってくるので実質的に労働問題や給料よりも辛い事かもしれせん。
パワハラ・セクハラ・いじめ
こちらは本人の捉え方次第で事が大きく発展する場合もございますが、決定的な事項をあげさせて頂きます。
お前の代わりはいくらでもいる
一般企業でもあり得る事ですが、立派なパワハラです。
上司が感情的になって言ってしまう事が大半でしょうが今の時代、完全にアウト。
そんな事を言われたら即辞めてやりましょう。
上司から明らかのセクハラ行為
冗談のつもりかもしれませんが、受け手がそれでおさまらない場合は立派なセクハラです。
ボディタッチ以外に、異性との出来事を事細かく聞いてくるのも、もちろんセクハラです。
下ネタとの際どいラインになってきますが、明らかに不愉快な場合は法的措置をとっても良いでしょう。
いじめ
よくある事例で言いますと、
・必要以上な嫌味満点の説教
・明らかに技術が出来ているのに先輩のさじ加減でテストに受からない
・お客様に全く入客できない
・遅刻で法外な罰金
などなど全て上げるとキリがありませんが、今この時もどこかで横行しているのも現状です。
まとめ
結果、ほとんどの美容室がブラック企業に近い感じだと思われます。
労働環境や保険関係に関してはオーナーさんのモラルによって生じてきますが、
パワハラやセクハラやいじめなどはサロンの環境が良くても、たった1人のアホな美容師によって全て崩れてしまう事になります。
このブラック体質から抜け出す為には
今のサロンを自力で改善or転職するかになります。
1番手っ取り早いのは転職になりますが、ここではサロンを移るという事も転職として表記させて頂いてます。
まだまだ業界全体で改善の余地は見られませんが、環境の良いサロンが増えてきているのも事実です。
これからはそういった劣悪な環境でスタッフを雇い、無謀な条件で経営をしていく所は人材も集まらずに淘汰されていくと良いと思っております。
自分の将来に大きく関わってくる事だと思いますので冷静に考えて今後に繋げて下さいね。